2020年11月24日
市民連合奈良1区では、試行錯誤しながら要望書の作成を進めました。
【要望書作成のプロセス】
- 文書的には、この要望書は合意書締結に至るまでの過渡的なものと見ていいが、実質的には一区市民連合の意志表明であり、各野党への呼びかけと同時に奈良市民への語りかけでもある。その2つの意図を念頭において要望書の内容/口調を整える必要がある。なお合意書締結後も一区市民連合の意志表明として保存されるべきと思う。
- この要望書作成では、9/19 付け市民連合要望書の 15 アイテムと市民連合結成に際して採取したアンケート結果を拠り所にした。アンケートの前に果たしてどれだけ 9/19 付け市民連合要望書が読まれていたかは疑問であるが、アンケート結果は、粗々9/19 付け市民連合要望書の主張に符合しており、特に奈良の地域性からくる主張は見られなかった。さらに、極端な要望の偏りも見られなかったので、9/19 付け市民連合要望書の 15 アイテムは平準化された主張とみて何ら差し支えがなく、そのまま奈良一区市民連合の要望書としてスライドできると判断される。
- 9/19 付け市民連合要望書の 15 アイテムは、2019 年の合意 13 項目に較べ格段に範囲が広く明らかに政権奪取後の政策展開を意識している。奈良市民連合も、単に選挙に勝つための狭隘な要望書でなく、政権奪取を前提にした視野の広い要望書にまでレベルを上げるべきだと思う。確かに 9/19 付け市民連合要望書の 15 アイテムはオーバーオールな視点を持っており、おのずと選択に融通が効くので、合意書に到達するのも容易ではないかと思われる。
- 現状、‟いのちと暮らし(or 人間の尊厳)を守る‟ というスローガンが多用されており、これに倣って要望書の記述も並べ替えるべきだという意見もある。確かにいのち/暮らしは端的で耳に入り易くスローガンとしては異論がない。ただ、昔の労働運動が思い出され、政権を奪取して国政を担うには違和感が残る。政権奪取を前提にした要望書であるなら、いのちと暮らし(or 人間の尊厳)を守るだけでは済まない。
平和憲法維持という共通理念をもつ野党連合であるから、9/19付け市民連合要望書の 15 アイテムの並びは妥当である。従って強いて並べ替えを行って優先度を匂わせる必要はないと思う。(ただ、運営委員会で優先すべしとの議決があれば、それに逆らうだけの反論はないので議決に従いたい。もともと 15 アイテムは小アイテムの集合体なので並べ替えは容易である。) - 小アイテムを束ねた 15 アイテムは余りに冗長だというもっともな意見もある。しかしこれも政権奪取を前提にする要望書であれば我慢してもらうべき。また合意形成に幅をもたせる意味で15 アイテムを全て網羅すべきだと思う。
- 以上の議論から、9/19 付け市民連合要望書の 15 アイテムをスライドし、これにアンケート結果を反映する形で若干の付加事項を加えて奈良一区の要望書としたい。なお 9/19 付け市民連合要望書の 15 アイテムは小アイテムに分解して記述した。これは 15 アイテムの原文では読み辛く合意書作成の障害になるという佐川氏の意見を取り入れたもの。
- 奈良一区の要望書(案)を以下に示す。内容的にはまだ不明の部分もある。12 月 6 日の市民連合要望書学習会の結果をみてまとめていきたい。
奈良一区市民連合新しい社会構想を携える野党連合への要望書(案)
いま奈良市民は、平和憲法を踏みにじり人間の尊厳を冒し、自己正当化のために官僚をして虚偽、隠ぺい、改ざんあるいは忖度の蟻地獄に落とし込んだ(安倍)-菅-杉田体制にとどめをさし、新しい社会構想をもった透明で公正な連合政権が樹立されることを心から待ち望んでいます。
その熱い思いに答えるべく奈良一区市民連合は、先に市民連合が提示した「立憲野党の政策に対する市民連合の要望書-いのちと人間の尊厳を守る選択肢の提示(9 月 19 日付)」にベースをおき、これに奈良一区としての要求を付加して以下 4 セクション 45 アイテムの要望を作成しましたので、奈良一区に拠点を持つ野党各党にこれを提示します。
【Ⅰ. 憲法に基づく政治と主権者に奉仕する政府の確立 】
1-1) 安倍-菅政権によって作られた安保法制、特定秘密保護法、共謀罪など違憲の疑いの濃い法規法令を全て廃止して、立憲主義を再構築する。
1-2) 自民党が進める憲法改定とりわけ第 9 条の改定を不可とし、改憲発議そのものを拒絶する。
1-3) 日本国憲法の理念を社会の隅々に浸透させ安倍-菅政権によって損なわれた民主主義を回復する。
2-1) 国会の行政監視機能の強化、国会解散権や小選挙区制の見直し、再審法などの見直しあるいは市民参加の制度的な拡充や自由な主権者教育を実現して民主主義本来の手続きを取り戻す。
2-2) 地方自治体の自由・自立を確保するため一般財源を拡充して、中央官庁による無用な制度いじり、自治体の創意工夫を妨げる統制・操作・誘導を排除する。3-1) 透明性のある公平な行政の理念のもとに、内閣人事局の改廃を含め官僚人事のあり方を見直し、合理的な政策決定プロセスを追求するとともに、一般公務員の労働環境を改善する。
3-2) 国民の知る権利と報道の自由のため、政権による NHK などメディアへの陰湿な介入と操作を排除し、メディア法制のあり方を検討する。
【Ⅱ.生命と生活を尊重する社会経済システムの構築】
4-1) 医療、保健、学校教育および社会インフラなどの公共サービスや労働法制への新自由主義の浸透を是正し、単純な市場原理に依った利益追求と効率至上主義から脱却して、国民の暮らしと安全を守る政治を目指す。
5-1) 消費税負担の軽減を含めて所得、資産、法人および消費の各分野における総合的な税制の公平化を実現し、富裕層と大企業の余力に応じて低所得層への負担を軽減するなど、‟小さな国家‟に由来する過度な自己責任論から脱却して、責任ある政府の下で支えあう社会への道を模索する。
5-2) 国民健康保険や介護保険の国庫負担引上げ、および年金のマクロ経済スライドや最低保障制度に関して、検討と見直しを継続する。
5-3) 現金・現物の給付強化と負担軽減を組み合わせた実効的な貧困対策を追求し、最小格差の社会を目指す。
6-1) 感染症に対しては PCR 検査などの徹底した運用、医療崩壊の防止、医療現場への経済支援など直面する課題に国がしっかりと責任を持ち、将来にわたって感染症対策の手法を確立してゆく。
6-2) 感染症対策に伴う社会活動と経済活動に対する規制に際しては、事業者への持続化給付と企業への休業補償に対し、公正・透明・迅速をもって最大の予算措置を講じるとともに、過去にさかのぼって保健所や公的病院の統廃合などを見直す。
6-3) おそらく地球温暖化に関連する自然災害の急増に対し、科学的・工学的視野に立って、直近の対策と有効な防止策を追求する。
7-1) 先進国の中で唯一日本だけが実質賃金を低下させている現状を是正するために、中小企業対策を充実させながら最低賃金「1500 円」の達成を目指す。
7-2) 世帯単位ではなく個人を前提にして、税制、社会保障制度あるいは雇用法制の全面的な見直しを図り、配偶者控除や第 3 号保険者などの懸案を検討して、働きたい人が自由に働ける社会を実現する。
7-3) これから家族を形成する若い人たちが安心して暮らせるように、空家対策も絡めて公営住宅を充実する。
8-1)出産・子育て費用の公費負担を抜本的に見直し、保育の充実を図り、待機児童をなくし、女性が安心して働ける社会を実現する。
8-2) 教育予算を充実し、小・中・高校の少人数学級を推進するとともに、教職員や保育士が安定して働けるように待遇改善を進める。
8-3) 教育の機会平等を保障するため、大学、高専および専門学校の給付型奨学金制度を拡充する。
8-4) 大学や研究機関における常勤の雇用を増やすとともに、基礎科学研究、とりわけ新しい発想の萌芽的研究に対し十分な公的助成金を給付する。
8-5) 学問の自由の理念のもとに、政権の不当な介入を禁じ、研究の自立性を尊重するとともに政策形成に学問の成果を的確に反映させる。
【Ⅲ.地球的課題を解決する新たな社会経済システムの創造】
9-1) 雇用—賃金—就学における性差別を撤廃し、選択的夫婦別姓を実現して、全ての人が社会活動や経済活動に生き生きと参加する権利を保障する。
9-2) 民主主義を徹底するために議員候補者の男女同数化(日本版パリテ法)を実現し、従来の男性優位の画一主義を取り除く。
9-3) 人種的・民族的差別の撤廃措置を推進するとともに、LGBTsに対する差別解消を進める。
10-1) 高等教育投資と公的研究体制を新エネルギ開発に振り向けて、多様な産業の創生を促す。
10-2) 分散型の再生可能エネルギの拡大をテコに分散ネットワーク型産業を定着させるとともに、地域の保育・教育・医療サービスなどを充実し、多様で持続可能な地域社会を展開させる。
10-3) いのちに係わる自然災害対策、感染症対策あるいは避難救難システムなどに国が最終責任を負う体制を確立する。
10-4) 地域における中小企業やソーシャルビジネスの振興、移動/交通手段の確保あるいは人口減少4対策など、豊かに安心して暮らせる地域作りに注力するとともに地方再生の観点に立って現行のエネルギ政策やスーパーシティ法案を再考する。
11-1) 地球温暖化対策の先頭に立って脱炭素化を推進し、原発によらない新しいエネルギ政策を確立して 2050 年までに再生可能エネルギ 100%を実現する。
11-2) 福島第一原発事故の検証や実効性のある避難計画の策定を推進し、地元の合意を得ない原発の稼働を一切認めない。
12-1) 農林水産業を単純な市場原理に委ねるのではなく、環境を保全し社会共通資本を守るという観点から、家族農業を保持しうるだけの農業者戸別補償の復活、スマート農業などによる省力化と高品質化、環境税(炭素税)による林業の持続化支援、あるいは水産資源保護とその管理方式の見直しを行う。
12-2) 食を中核とした新たな産業(第 6 次産業)を育成することで、農林水産業の衰退とその就業人口の減少を可及的に食い止める。
12-3) 小麦・大豆等を中心にカロリーベースの総合食料自給率を現在の 37%から 50%まで引き上げる。
【Ⅳ.世界の中で生きる平和国家日本の道を再確認する】
13-1) 平和憲法の理念に照らし「国民のいのちと暮らしを守る」、「人間の安全保障」の観点に立って平和国家を創造するとともに、WHO をはじめとする国際機関との連携を重視し、医療・公衆衛生、地球環境あるいは平和構築にかかる国際的なルール作りに貢献していく。
13-2) 核兵器のない世界を実現するために「核兵器禁止条約」を直ちに批准する。
13-3) 敵基地攻撃論を不可とし、国際社会の現実に基づき、単なる軍備の増強に依存しない包括的で多角的な外交安全保障政策を構築する。
13-4) 自衛隊の災害時出動などの民生活動に対する国民的な期待の高まりを受けて、防衛予算や防衛装備のあり方に大胆な転換を図る。
14-1) 沖縄県名護市辺野古における新基地建設を直ちに中止して環境を回復するとともに、根気よく交渉を持続して普天間基地の早期返還を実現する。
14-2) 植民地状態にも等しい日米地位協定を改訂して、沖縄県民の尊厳と人権を守る。14-3) 沖縄に対する従来の慰撫的な地域振興体制を見直して、沖縄県の自治と民生の強化を図る。15-1) 予防外交や信頼醸成措置などを通して東アジアにおける協調的な安全保障政策を進め、朝鮮半島の非核化に向けて尽力する。
15-2) 韓国に関しては、早急に関係を修復して医療・環境・エネルギなどの課題に共同で対処する。
15-3) 中国に関しては、日中友好条約の精神に基づいて東アジアの平和維持のために地道な対話を続けるとともに、過度な軍備拡張、一意的な香港・台湾政策あるいは不透明な人権問題について、民主主義からの危惧の念を表わす。
15-4) 北朝鮮に関しては、日朝平壌宣言に基づいて国交の正常化と拉致問題の解決に注力し、核・ミサイル開発の阻止に向けて多国間対話を模索する。
参考) 本要望書のベースとした 9/19 付け市民連合要望書の 15 アイテムは以下の通り。
1.立憲主義の再構築
2.民主主義の再生
3.透明性のある公正な政府の確立
4.利益追求・効率至上主義(新自由主義)の経済からの転換
5.自己責任社会から責任ある政府のもとで支え合う社会への転換
6.いのちを最優先する政策の実現
7.週 40 時間働けば人間らしい生活ができる社会の実現
8. 子ども・教育予算の大胆な充実
9.ジェンダー平等に基づく誰もが尊重される社会の実現
10.分散ネットワーク型の産業構造と多様な地域社会の創造
11.原発のない社会と自然エネルギによるグリーンディカバリー
12.持続可能な農林水産業の支援
13.国際協調体制の積極的推進と実効性のある国際秩序の構築
14.沖縄県民の尊厳の尊重
15.東アジア 共生、平和、非核化


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奈良1区市民連合2021